陰から考える建築設計/OTK4

■タイトル

陰から考える建築設計手法

 

構成

背景:西洋とは違う日本の豊かさ

問題意識:均質ではない陰の持つ奥行き

分析(比較):光からの建築と陰からの建築

分析(詳細):日本家屋内の陰と影の関係

分析(実験):反射面の違いによる陰の室内への影響実験

目的:微細な陰をコントロールする設計手法の提案

既往建築レファレンス:拡散光を主光源とした建築

モデル:拡散光化モデルの作成

モデル2:陰コントロールモデルの作成(上記モデルの応用)

 

内容

*背景と目的:失われた日本建築の豊かさ

近代以降の日本は西欧の建築様式を追いかけることで、快適さと文化的生活を手に入れた。

しかし、これまで受け継がれ続けてきた日本的建築様式は本当に豊かではなかったのだろうか。

 

 

*問題意識:不均質な空間がもつ陰の奥行き

自然がコントロールされた均質な空間に疑問を持ち、

日本建築の持つ微細な陰によって起きる空間の変化に魅力を覚えた。

 

 

*分析1:光からの建築、陰からの建築

本章では①直射日光、②物質を介した一次反射光、③もう一度反射した二次反射光に分けて分析する。

 

壁に開口を開けていく建築では①直射光を主光源とし、直射光の当たらなかった部分を陰として認識する。

②一次反射光がその周りの陰影を照らし、さらに陰影を減少させていく。

③二次反射光も同様に均質な空間の中では複雑な反射は起きず、陰影は常に減っていく。

 

一方日本家屋では①直射日光は室内に取り込まず陰の空間を作り出す。

そして白砂を介した②一次反射光を主光源として室内に拡散光を取り入れる。

日本家屋内の屋根、架構に当たった③二次反射光が光が当たっている部分に陰影を、陰影の部分に光面をつくりだす。

 

結果、壁の建築では光が増加すると陰影が減少。

日本家屋では光の増加と共に陰影も増加する現象が起きている。

 

このことから壁の建築は光を主体に考える「光からの建築」、

日本家屋は陰を主体に考える「陰からの建築」と定義する。

 

 

*分析2:日本家屋を覆う陰

前項で挙げた日本家屋の②一次反射光と③二次反射光について加筆する。

②一次反射光と③二次反射光は1つの物体を全く別の角度から同時に照射する。

そのことによって前述した光面の中に陰が出来る状態となり、物体は表面全体に陰を覆っていることになる。

一方影は物体ではなく投影面に映るものであるため、光が照射されると薄くなる、もしくは消えてしまう。

 

このことから日本家屋の陰影を構成する主な要素は陰であるといえ、

本建築では陰を主に扱うこととする。

 

 

*分析3:光特性の違いによる陰の変化実験(分析中)

一次反射光:

室外環境を白砂(拡散光)、鏡面(鏡面反射)、黒マット(無反射)にし、室内環境の違いを実験する。

この実験によって一次反射光が室内に及ぼす影響と効果を明らかにする。

二次反射光:

屋根裏面の素材を凹凸(拡散光)、鏡面(鏡面反射)、黒マット(無反射)、光沢(鏡面反射)にし、室内環境の違いを実験する。

この実験によって二次反射光が室内に及ぼす影響と効果を明らかにする。

 

 

*目的:陰をコントロールする設計手法の確立

現代建築に日本家屋の陰の要素を加えることで、壁を使わずに微細な境界を持った建築を設計することが可能となる。

微細な陰をコントロールする手法の確立、現代建築への展開を目的とする。

 

 

*建築のレファレンス:拡散光を主光源とした建築の選定

 

 

*(既存建築から)隙間モデル作成:

隙間を通すことで拡散光を室内に取り込む。

このモデル作成により、上からの光でも日本家屋の下から昇る拡散光と同様の効果を上げることができることが実証されれば

周辺環境に左右されずに陰の空間を作り出せることをしめす。

 

 

*拡散応用モデル作成:

上記隙間モデルの活用方法。

上記のモデルと反射にあたる本モデルの操作によって陰をコントロールする手法を確立する。

今後はこれらを元に本設計に着手する。

 

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コメント: 1
  • #1

    admin (日曜日, 09 10月 2011 10:24)

    いや。これでは全くダメ。今までと変わらない。無駄な作業をする前に、きちんとフローと構成を考える。それを練り上げるために実験を繰り返す。
    今現在、何も示せていないし、仮定もないのに、モデルや手法を作れるはずがない。
    いい加減に、論理とは何かを理解する。

    *問題意識を明確に絞る。
    西洋と日本建築の違いは何か?それを具体的に何で感じたのか?
    どこがどのように不均質な空間であったのかを示し、そこに「陰の奥行き」があるとするならば、それを西洋建築と比べて示す。
    日本建築が微細な陰によって空間の変化を作り出しているとするならば、その現象を示す方法を考える。またそれが魅力的である原因を探る。
    ・・・ここまでが出来なければ前に進めない。あと4日で必ず詰める。

    >分析1:光からの建築、陰からの建築
    壁の建築は光が増加すると陰影が減少するか?光が強くなっても陰影は変わらないのでは?
    日本家屋では光の増加と共に陰影も増加するのか?光が強くなると陰影は薄くなるのでは?
    日本家屋は直接光を入れていないが、間接光を用いているから、やはり「光」から建築を考えているのではないか?それでも「陰からの建築」と言えるだろうか?

    >分析2:日本家屋を覆う陰
    概念図がないので理解出来ない。
    光面の中に陰が出来る??光面とは何を示しているのか?表面全体に陰を覆っている??
    影は光が照射されると薄くなる、もしくは消えてしまう?影になぜ光が当たるのか?

    >分析3:光特性の違いによる陰の変化実験(分析中)
    これは何を目的に実験し、何を明らかにしようとしているのか分からない。
    反射光によって、陰に変化を付けるのなら、変化を示せなければならない。
    こんな写真の撮り方では、実験にはならないだろう。これなら3DCGで予備実験をした方が早い。

    一番最初の「モチベーション」「問題意識」を明確にし、参考文献やレファレンスを探し、仮説をたてる。おそらく中間はここまでもいけないだろう。