軽やかな建築
軽やかな建築
アンバランスバランスとairy感のある建築設計
1_背景と目的
1-1.airyな建築_体感的な軽さへの興味
空気を一つの建材として扱うことで、物質的な軽さではない、軽さをもつAiryな建築に魅力を感じた。
分析した結果、下記に示す効果(容積密度操作による想像した重さの裏切り/原型からの歪みによる柔かさ/透明不透明による見え隠れ/空気層による空間光の演出)を抽出出来たが、壁や屋根の境界面に対する、視覚的な軽さに留まってしまっているのではないか。
1-2.不均斉な美に見られる動きの知覚と軽やかな空間
日本には、原型からの崩しによって趣を感じる「不均斉な美」という禅の精神がある*1。
ただ無秩序に形態を崩していくのではなく、非対称性のなかに力の釣り合いをとることで、静止した状態の中に動きのある緊張関係をつくり出すアンバランスバランスなメカニズムに魅力を感じた。
Airyな建築が持つ「軽さ」と、アンバランスバランスが持つ「動き」を同時存在させることで,より体験的な軽さに近い「軽やかな空間」をつくることが出来るのではないか。
1-3. アンバランスとの違いと軽やかさの知覚
日本人には、アンバランスであることを良しとする独特の美意識が存在する。形態のもつ力の釣り合いを崩していくことで、表情の変化や趣を作り出し計算されない表現に価値を見出している。しかし要素間には緊張のある釣り合いは存在しないため、軽やかさは知覚出来ない。
それに対しアンバランスバランスは、非対称な要素同士を、大きさと距離と方向性の関係性によって釣り合いをとっていくことで、運動状態にある形態の外形だけが残り静止したものに動きのある関係を構築している。 そのため全体像として様々な方向性や奥行きが同時存在させることが出来、「軽やかさ」を知覚させている。
1-4.目的
本修士設計は、アンバランスバランスがもつ「動き」のメカニズムを分析し、airyな建築との融合性を検証し、「軽やかな建築空間」の作成を目的とする。
2.軽やかさと建築
2-1既存建築における軽やかさ
既存建築における軽やかな建築空間を、アンバランスバランスな関係性を持つものを基準に抜粋、分析し「高低差」「ボリューム」「形態」「奥行き」に分類した。
2-2.軽やかな建築の実験/検証
A.高低差によるスタディー
高さ関係は非対称であるが、ボリュームの大きさによって釣り合いをとっているもの。
B.ボリュームによるスタディー
ボリュームの大きさは非対称であるが、視点からの距離/方向性によって釣り合いを取っているもの。
C.形態によるスタディー
形態は非対称であるが、反発し合う引っぱりによって釣り合いをとっているもの。
D.奥行きによるスタディー
奥行きは非対称であるが、遠近錯視によって釣り合いをとっているもの。
3.展望
アンバランスバランスな既存建築を分析、モデル化しAiryな建築との組み合わせを検証し、建築設計へ応用していく。
注釈 *1
不均斉:形が崩れている。すなわち、均斉が取れておらず歪んでいるということ。
形が崩れるということは、完全の否定であり、それが不均斉となる。
それは一方で「完全や几帳面にこだわらないこと」であり、完全にtは、安定や静止があるが動きがない。不均斉には、その先に無限大の可能性が潜んでいると禅では考える。
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admin (月曜日, 24 10月 2011 22:20)
ふむ。やっと梗概らしくなってきた。ストーリーは通っている。
>軽やかな建築〜アンバランスバランスを用いた建築設計〜
副題はもう少し考える。「不均斉な美」から軽やかな建築へつなげる切り口を示す。
1-1.airyな建築_体感的な軽さへの興味
*「分析した結果、」は不要。「下記に示す」もおかしい。
*どんなairyな建築があり、どんな問題意識を持ったのかを明確に示す。
1-2.不均斉な美に見られる動きの知覚と軽やかな空間
*「不均斉な美」と「アンバランスバランス」はどう違うのか?
*アンバランスバランスなメカニズムとは?
*より体験的な軽さに近い「軽やかな空間」とは、どこで示しているのか?
1-3. アンバランスとの違いと軽やかさの知覚
*1-2と同じ内容ではないのか?
1-4.目的
*airyな建築との融合性を検証し・・?
*何におけるアンバランスバランスか?
2-1既存建築における軽やかさ
*「高低差」「ボリューム」「形態」「奥行き」では、分析とは呼べない。
*どんな種類の「軽やかさ」があり、それらのメカニズムを考える。
*airly建築の分析と同様。これらをつき合わせる。
2-2.軽やかな建築の実験/検証
*2-1が出来ていないから、ここは当然全く×。
*今までの模型を使って、スタディーを編集するしかないか。