陰からの建築/OTK7

陰からの建築 陰の重なりを用いた建築設計

 

北村家住宅での体験

北村家住宅で広間の壁や天井の距離感が掴めず、空間の境界が遠く感じたり近く感じたりと曖昧に感じたことに興味をもった。

 

陰の重なり

実際には陰は重ならないが、広間では軒の深い屋根によって間接的に内部へ入り込んでくる反射光が拡散し、梁や垂れ壁の影が天井や壁の陰に重なっているように見えた。反射した光を梁が遮り、遮られなかった部分が薄くなっている。そのため、濃淡の階調数が増え、陰の輪郭がボケている。

 

 

目的

陰の重なりを用いて曖昧な境界をもつ建築の提案を目的とする。

 

陰の重なりによる空間認識

竹内栖鳳の「宿鴨宿鴉」は墨の濃淡を徐々に変化させて書くことで2次元上に遠近感を作り出しながら、地面や池の境界がはっきりとしない。陰の濃淡の階調数が増えたことによって、陰に奥行きを感じ距離感を認識していると考える。

 

陰からつくる空間構成

西洋の組積造の建築は軒が浅く光が直接的に入り込むのに対し、日本の柱梁の建築は軒の深い屋根をかけ、直接光を遮り間接光が内部へ入り込む。そのため内部は薄暗い陰の空間となる。襖、障子によって空間を仕切り光が減衰していくことで、陰の階調数が増えている。

 

陰の重なりの作成

間接的に光を取り入れる方法から、スラブの位置を変え陰の形に着目する。

また、壁の厚みを変えたもの、壁を増やしたものの光の取り入れ方を変え陰の濃淡に着目する。

3つの光の取り入れかたから陰の形には右側によるものと、中心によっているものがある。

スラブを低くしたものは右により、高くしたものは中心へよることがわかる。

プログラム1_現代の浴場

ネット上でどこでも、誰でもつながりを持つことが可能になった現代ではプライベートとパブリックがボーダレス化しつつある。プライベートな場所でありながら一つの空間を皆で共有している公衆浴場を陰から建築をつくる。陰が濃くになる場所は互いの気配しか感じない空間となり、一番暗い場所では自分の空間に浸れ、そこでは水の音や気配だけを感じる。一つの空間をリアルに共有しながら自分の空間持ち、パブリックとプライベートの境界を緩やかに分ける。

 

敷地_東京都日野市日野本町7丁目

敷地面積約3000㎡

浅川と多摩川沿いの土地は、住宅地と農地が共存する土地利用となっている。この沖積低地には、日野でも貴重となってしまった水田が広がり、そこへ水を導く用水が網の目のように張り巡らされているため水との関係をつかい地域のコミュニティを作ろうとしている。敷地は築43年の公民館の建て替え計画が考えられている場所。

 

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コメント: 1
  • #1

    admin (月曜日, 12 12月 2011 13:52)

    ・・・。何度も伝えたのに全く理解出来ていない。

    前半は、中間で指摘されたように初歩的な「お勉強」でしかない。
    日本建築の陰影の中に間接光で出来る複雑な階調に着目し、それを影ではなく「陰の重なり」と呼んだ。

    問題意識はその先。
    「陰の重なり」とはどういうもので、それから建築を考えていくとはどういう意味なのか?
    ここで書かれている実験(らしきもの?)は、全く無意味である。
    そもそも「陰の形には右側によるものと、中心によっているもの」とはどういう意味か?意味不明。
    「壁の厚みを変えたもの、壁を増やしたもの」にどんな意味があるのかも考えずに作業しても意味がない。一つ一つ意味を確認しながら、前に進む。

    プログラムや敷地についても、思いつきのレベルを超えない。明らかにB4以下。

    こんなに論理が通用しないのに修士設計をするのはあり得ない。ギブアップ。