軽やかな建築/KMMR11

軽やかな建築

バランスの際による動きを用いた渋谷祝祭堂

プログラムと敷地の設定を再考し直しました。

 

プログラム

都市の結節点としての公共の祝祭堂

問題意識

日本には多くの祝日(先進国では最多)やお祝い事が存在する。

かつての冠婚葬祭は普段の生活空間が非日常に転じることで、街全体が祝祭の雰囲気に包まれ、地域のコミュニティーが形成されていった。

しかし宗教色のない日本にとって、本来の祝祭の意味合いに触れる機会は少ない。

また、都市部ではビジネス業界の参入による祝祭行事の商品化や、公民館や市民ホールなどの仮設的な転用によって、費用の高騰や祝祭空間の形骸化が生じ、祝祭行事そのものの社会的意味合いが希薄化してきている。

 

提案

都市の結節点となる場所に、さまざまな祝祭行事(結婚式及び結婚記念日/成人式/七五三/入学・卒業式など)のための「祝祭空間」としての機能を提供することで、再度、祝祭行事を顕在化させ、都市の日常に彩りや抑揚を与える建築として機能していく。

地域コミュニティーの形成をはかり、祝祭のアクティビティーを都市に浸透させていく。

普段は、忙しない喧騒につつまれる現代の都市に入り込んだ、公私の間としての自己と向き合う場(時間)となる。

 

敷地

渋谷桜丘町

渋谷桜丘町は住宅/商業/公共/事務所といった中高層建築が高密度に混在し、所々に見られる空地は有料駐車場となっている。

そのため、この地を拠点とする人にとっては、ON(公)とOFF(私)を切り替えるための場がないのではないか。

様々な情報が集積し街や人の中心/結節点となっている、駅前(大和田第一ビル+空地)を計画敷地とし、祝祭堂を主機能とした建築を提供することで、都市生活者にとっては、祝祭行事を通じて地域住民との繋がりを再認識したり、自己と向き合う第三の居場所ととして機能していく。

 

 

ゴールイメージ_安定で不透明なのに軽やかな建築

1.教会や社寺建築の平面的なアプローチやランドスケープで得られる高揚感を、軽やかな空間で断面的に展開し、人や視線が上に引っ張られてくような建築を考えています。

2.中高層の箱もの建築が高密度に隣接している敷地(安定して重い)条件でも、軽やかな建築を作れた方が、より建築的な提案として説得力が増すと感じたので敷地を再考しました。

 

文章ばかりですみません。よろしくお願いします。

 

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コメント: 2
  • #1

    admin (日曜日, 15 1月 2012 23:44)

    うーーん。発想が安易だなあ・・。
    KMMRはここで結婚式をあげたいと思うのか?もし、そう思うならそれはなぜか?駅近で便利だから?こんなに喧噪とした場所で、KMMRのコンセプトは活きるのか?
    それとも、谷底で駅そば・高速道路脇の劣悪な環境だからこそ、軽やかな建築が相応しいのか?

    「中高層の箱もの建築が高密度に隣接している敷地(安定して重い)条件でも、軽やかな建築を作れた方が、より建築的な提案として説得力が増すと感じたので敷地を再考しました。」
    →KNKと同じ。では、最も箱もの建築が高密度にある敷地を選んだ方がいいのでは?

  • #2

    東海大学大学院建築学専攻吉松秀樹研究室 (月曜日, 16 1月 2012 03:07)

    KMMRはここで結婚式をあげたいと思うのか?もし、そう思うならそれはなぜか?
    一番の選定理由は後者の方です。
    軽やかな建築とお話を絡めて、もう一度整理し直してみました。

    劣悪な環境下において、祝祭空間はどうしても閉じざるを得ない敷地。

    ただ閉じただけの建築は周辺と繋がりを持たない冷たい外観や、真っ暗な内部空間となってしまい、祝祭空間として相応しくない。

    バランスの際による形態操作によって、建築が害的要素を取り除いたり、間接的に光を取り込むフィルターとしても機能し祝祭空間を作っていく。

    動かない動きが表層にも現れ、軽やかな外部空間を形成するとともに、祝祭のアクティビティーが都市に滲みだす。

    桜ヶ丘町が持つ劣悪な環境イメージすら変えてしまう力をもった建築。

    →KNKと同じ。では、最も箱もの建築が高密度にある敷地を選んだ方がいいのでは?
    はい。空地が所々にあったり、建築の高さがまばらだったりして、敷地選定がコンセプトとづれてました。
    敷地条件を整理したfigをアップしました。