隙のある建築設計/TGC4

隙のある建築設計

光によって視線を操作する代官山プロテスタント教会

光によって視線を操作する代官山無(多)宗教教会

 

 

 

モチベーション

安藤忠雄の光の教会は一時的に直射光を入射させることで空間を分割し一時的に視線が移るところに隙を感じた。

隙は油断の意味がある。油断は常に起こるものではなく一時的に関係性ができると考えられる。一時的にできる隙間(隙間と言っていいのか分かりません。)。

よって物理的な隙間とは異なる。

 

差し色は目立つ色を少量使用することで、視線を引き、誘導させる。

色だけでなく凹凸や光、陰も差し色の要素である。日光は時間によって位置が変化するため、差し色の位置も変化する。光は時間的差し色となる。

 

目的

本修士設計は直射光によって現れた一時的な視点とその割合の釣合いから「隙のある建築」の作成を目的とする。

 

分析

・直射光を取り入れた建築と反射光を取り入れた建築の入射方法を分析し、ある時間にのみ直射光が入る採光部の検証

・直射光によってどのように空間同士のつながりを作り、人を誘導させるかのモデル検証

 

プログラム(プロテスタント教会or無(多)宗教教会)

・信徒の減少に伴う教会の減少

教会数や信徒数の減少の要因には、司教や牧師、信徒の高齢化がみられる。

高齢化により司教などの伝道者達は減少していき、伝道する者がなくなりつつあるからである。また、日本の教会の外部空間は日本の神社の境内のような開放感はなく、信徒以外の人々が近づきにくい印象がぬぐえない。

 

・教会の地域活動や一般への開放の重要性

一般的に言えば、新しい信徒が定着しない教会ほど、ますます伝道の機会が乏しくなる。

教会の活動を途絶えさせないためには、一般への開放や地域活動が重要となってくる。しかし、渋谷駅付近などの都心は、教会が密集してはいるが地域との繋がりが希薄であるため活動があまりできていない。

 

 

敷地(代官山)

・商業と住居が入り混じる代官山

蔦谷書店などの代官山プロジェクトによってこれからもますます、来訪者が増えていくことが予想される。しかしその反面、居住者は休日の喧騒に不快感を抱いているというアンケート結果が見られた。これらを教会の地域活動やオープンな場を設けることで相互によい関係性が生まれるのではないだろうか。

 

・代官山周辺の既存教会

代官山に現存する教会はバザーなどの地域活動は行われている教会は数件あるようだが、教会施設の一般貸出などは行われていない。このことから現在の教会は閉じられたものが多いと考えられる。教会はもっと公に開放されるべきなのではないか。

 

・代官山のオープンスペース

代官山は景観形成基準にて道路などの公共空間と連続したオープンスペースの確保など公共空間との関係に配慮した配置とするよう定められている。

教会内をオープンスペースとすることで内部と外部との境界をなくす。

 

空間

直射光によってミサ等を行う時は外部との境界を強くし、住民に開放している時は境界をなくす。

内部では光によって人の動きを制限しつつ解放する、様々な人が使用できるような場を提案する。