地霊を体感する建築-福岡東峰村のシビックプライドを育む故郷文化・自然学校-/ITB19

小石原まるごと故郷文化・自然学校

小石原にある既存の施設を利用して、小石原まるごと故郷の文化や自然を学ぶ学校にする。

かつて修験道の人々は深仙宿で修行を行う際に、祭器を窯元から調達したり、落ち枝を拾って護摩焚きに利用したり、湧き水を閼伽井として供養に利用したり、まちを巡って、まちにあるものを利用し修行を行っていた。

同様に、まちにある機能不全の部屋や施設を利用することで、まちを巡る行為を生み出す。


利用者が減少傾向にある陶芸体験のできる小石原焼き伝統産業会館や後継者不足に悩む農家は特別教室として利用、

修験道の人々が作った行者杉や、その中にある深仙宿、森林公園散策路はフィールドワークを行う場として利用、

住民に使われていない役場の図書室や会議室、ホールや、統廃合して使われなくなった旧小学校の体育館、グラウンド、プールを再利用し、

小石原宿にある空家を民宿にして、生徒が泊まる寮や、観光客の宿として利用する。

小石原宿の空地や空家に教室、食堂、一部の民宿を提案する。

小石原循環バス

徒歩や自転車の他に、小石原を循環するバスで移動をしてもらう。マイカーではなく、バスに乗ることで周りの風景を見る余裕や、周りの人との交流を生む可能性のある場面を増やす。

小石原循環バスは住民や観光客も利用できるようにして、乗っているだけでまちについて詳しくなれたり、観光がスムーズにできるように、文化や歴史をアナウンスしながら運行する。


乗り換え・・・

路線バスで来た人:道の駅か森の博物館で乗り換えをして、小石原循環バスに乗ってまちを巡る。

マイカーで来た人:道の駅や役場、小石原焼き共同展示場の駐車場に車を置いて、小石原循環バスに乗ってまちを巡る。


観光ルートの提案

小石原よくばりルート(通学路):行者杉、深仙宿、皿山の窯元、国道の窯元、小石原高木神社を巡る

国道窯元めぐりルート

皿山窯元めぐりルート

行者杉ルート

森林満喫ルート

歩ける環境をつくり、まちの風景を見せる

国道211号線の東側は歩道を整備し、西側は日田街道の脇往還だった旧道を歩行者路として利用する。

西側にある森の博物館や窯元には旧道を通り、小道を通って行ってもらう。

旧道からは小石原の窯元の風景や英彦山、松尾城跡を望むことができ、まちの風景を見るためのパスとなる。

深仙宿のような個性のあるゾーン

深仙宿には行者堂、護摩壇、閼伽井がバラバラにあることから、ゾーンを決めてそれらに個性を持たせていく。

深仙宿で修験者が修行する際は、バラバラにある行者堂や護摩壇、閼伽井を移動して使っていたことから、修験者がこもる場として使った行者堂のような生徒や宿泊者の民宿ゾーン、

役行者をまつる場としても使われた行者堂のようなまつるゾーン、

護摩焚きをして祈りを捧げたり、教えを請うための護摩壇の場のような学習ゾーン、

閼伽井のような食堂・休憩ゾーン

を移動しながら使われるようにする。

民家ゾーンは既存の空家を利用して民宿にする。

学習ゾーンと食堂・休憩ゾーンを設計する。

昭和初期の写真では平入と妻入の住居が混在し、古い茅葺き屋根の住居は庇のついていて、皿山に残る茅葺き屋根の窯元も全て庇のついている。

かつて客の接待をする場や会話をする場でだった庇下の空間を、住民と来訪者と生徒が気軽に交流できるような空間として用いる。


現在、かつての小石原宿の住居はほとんどが妻入りとなっている。

提案で平入屋根を用いることで、かつての平入と妻入の混在するまちなみをつくる。

小石原の住居の「ごぜん」のように、いろりがあり、日常生活の場、近所の人の応対も行う空間を庇の下や土間につくる。

教室と休憩の模型写真

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コメント: 1
  • #1

    admin (月曜日, 02 2月 2015 15:21)

    *旧道は車は走れるんだろ?そっちにバスを回せないのか?
    *ルートをたくさん作らない。現在の国道と出来るだけかぶらない、安全なルート。
    *小石原宿と道の駅と皿山地区をオンデマンドバスでつなぐ。
    *小石原宿は、昔に戻し、英彦山や神社と関係づける。
    *アカイや行者堂を模するのは道の駅周辺か。ここが乗り換え拠点。

    *小石原宿は、部分的に平入に改修して、バスターミナル+教室を仕込む。
    *基本は教室+宿泊か寮だろう。職員室もあるのか。
    *道の駅周辺に教室があるのもいい。小石原宿から英彦山を見ながら歩いて教室へ。図書館やホールなどがある。
    *旧小石原小学校を利用するのは微妙。ストーリーがぶれてしまうかもしれない。
    *皿山地区ジャンクションに施設を置く。現在の施設に引きずられない。

    *地霊を感じる建築の提案は、道の駅周辺だと思うが、小石原宿の改修もありえる。だが、ただの歴史的修景に見えてしまうかもしれない。
    *皿山地区は歩ける。小石原宿と道の駅も歩ける。その間をバスでつなげばいいのでは?

    *道の駅周辺にはかなり駐車場が必要なのでは?
    *道の駅周辺に森(行者杉)を作る。アカイも作り、行者堂も作り、それらを何か別のものに見立てる。
    *小石原宿は通過交通があるから、バイパスを作らないと、提案になりにくい。
    *バスルートより設計する位置を決める。

    *小石原宿〜旧道〜道の駅役場〜村民グラウンド〜宮山行者杉〜皿山地区〜深仙宿〜宿平行者杉〜(老人ホーム)〜高木神社〜小石原宿